フルハーネス型安全帯使用作業特別教育

4月21日


2月から、施行されました

フルハーネス型安全帯取扱作業特別教育の講習をさせていただきました。


フルハーネス型墜落制止用器具取扱特別教育とは

建設業等の高所作業において使用される胴ベルト型安全帯は、墜落時に臓器の損傷や胸部等の圧迫による危険性が指摘されており、胴ベルト型の使用に関わる災害が確認されています。そのような背景から、厚生労働省は安全帯の呼称を「墜落制止用器具」に改め、国際規格であるフルハーネス型を採用することになりました。それに伴い呼称・範囲と性能要件を見直すとともに、特別教育を新設し、墜落による労働災害防止のための措置を強化しました。

【平成31年2月1日施行】

フルハーネス型安全帯は、墜落阻止時に身体が安全帯から抜け出さないように複数のベル

トで構成されていますが、胴ベルト型安全帯は、1本のベルトを胴回りに巻きつけて身体拘束を行う構造になっています。墜落阻止時の衝撃荷重によって胴ベルトが伸びて緩みが生じ、胴ベルトがずり上がることによる胸部・腹部への圧迫(国内でも死亡事例が発生しています)、あるいは抜けによる地面への落下の危険性が考えられます。

 また、胴ベルト型安全帯の場合、墜落阻止時に身体が「くの字」となり、腹部などへの圧迫が大きくなる可能性や、つり元である D 環の位置が身体の重心位置(腰部付近)よりも下(脚部側)になる “ 逆さま姿勢 ” となる可能性もあります。

 

特別教育

ドイツ、フランス、イタリア等では30年前から、フルハーネス型安全帯への移行や使用義務化がすすめられています。


労働安全衛生規則第36条-41

高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(ロープ高所作業に係る業務を除く。)


特別教育の対象となる作業例

フルハーネス型墜落制止用器具

高さが2m以上の箇所であって、作業床(400mm以上)を設けることが困難なところにおいて、フルハーネス型を用いて作業を行う場合は、本特別教育の対象となります。


また、一連の作業の過程において、一部作業床(400mm以上)を設けることが困難な箇所があって、フルハーネス型を使用する場合にも、本特別教育の対象となります。


具体的な作業例

建築鉄骨や鉄塔の組み立て、解体、または変更作業

柱上作業(電気、通信柱など)

木造家屋低層住宅における作業

屋根面を作業床をみなされない急勾配(勾配6/10以上)または滑りやすい材料の屋根下地であって、屋根足場を設けることができない屋根上作業

梁、母屋、桁上、垂木上での作業

作業床を設けることができない一側足場(抱き足場)での作業

足場の組立て解体または変更作業において、つり棚足場の足場板の設置または撤去などの作業や、単管上に足を乗せて作業床の設置または撤去等の作業

鉄筋コンクリート(RC)造解体作業において、梁上から鉄筋などを切断する作業

スレート屋根上作業で踏み抜きによる墜落防止対策のために、歩み板を設置または撤去する作業

送電線架線作業

このように、作業のすべてが特別教育の対象となる場合もあれば、作業過程の一部に対象作業が含まれている場合もあります。

上記の作業例以外でも、高さが2m以上であって、作業床を設けることが困難な箇所においてフルハーネス型を使用する場合には、本特別教育の対象となります。